この記事にたどり着いたということは、皆さんもかつて必死に大学職員への転職活動をしていた私と同じ気持ち・境遇にいると推察します。
それは、おそらく以下のような思いではないでしょうか。
私も大学職員への転職活動中に1番手こずり、多くの時間を費やすことになったのが、大学職員の志望動機の書き方・作り方です。
かつての私もそうですし、皆さんが悩んでいること・不安に思っていることは、大学職員を目指す全ての人が同じ気持ちと言っても過言ではないと思います。
ですが、
「なんだ、じゃああまり納得のいく出来の志望動機じゃなくてもいいのか」
と思うのは絶対にNGです。
ライバルも頭を悩ませているからこそ、多くの時間を費やしてでも説得力のある洗練された志望動機を作ることで、大学職員への道が切り開けると私は強く考えています。
こちらの記事では、私なりの大学職員の志望動機の作り方のコツを紹介することで、最短ルートで大学職員になれるよう微力ながらサポートします!
大学職員の志望動機が頭を悩ませる理由

本編の前にまず、なぜ大学職員の志望動機が私達の頭を悩ませるのか、私なりに考察したポイントを3つ紹介します。
本音の志望動機があるから
これは大学職員に限らないと思いますが、特に大学職員への就職・転職では多くの方に当てはまることではないかと思います。
上記で挙げた思いは、私が大学職員を目指す際に、本音であり1番の志望動機にしていたことです。
皆さんの中にも同じような思いが先行している方もいらっしゃると思いますが、これらの志望動機をそのまま正直に話して大学職員になることができれば、誰も苦労しないですよね。
本音を話しても大学職員への道が遠のくだけなので、後述するコツを踏まえて面接官に刺さる志望動機を考えていきましょう。
現在の仕事とまったく関わりがない業界・職種だから
大学職員という仕事や大学業界は、独特且つ狭い世界だと大学職員になった今感じています。
その影響で、大学職員を目指す方が就職活動や転職活動の際に、情報が取得しづらいという難しさがあります。
目指している仕事の情報が得られにくいと、現在の自分の仕事との関係性や親和性を見つけることが難しく、志望動機を考えることに苦労することになります。
また、大学職員の仕事内容が分からないと、志望動機は勿論、自己PRや大学職員になってやりたいことなどの面接で頻繁に聞かれる質問への回答も質が下がってしまうため、大学業界・大学職員の仕事内容の深い理解は大学職員を目指すためには必須です。
本ブログ内でも様々な形で、大学・大学職員の理解を進める方法をおすすめしているので、ぜひ他の記事もご覧ください。
どんなことをアピールすればよいか分からないから
大学職員の仕事と聞いて、多くの方が事務職をイメージされると思います。
大学職員の仕事のメインは事務職なので間違いではありませんが、近年大学職員の仕事は年々高度化且つ多岐にわたる形へ変化しており、事務職だけを出来るだけではなくそれ以上のスキルを求められる傾向にあります。
事務職だけするのであれば、事務処理能力やパソコンスキル・サポート業務などをアピールすればよいですが、それ以外の仕事も求められるのであれば、そこにプラスして能力をアピールしなければなりません。
面接や履歴書では、志望動機とあわせて自己PRを問われることもあります。
以下の記事も参考にしながら、どんなことをアピールすればよいか自分なりのイメージを膨らませてください。
大学職員の志望動機を考える前に
もうひとつ、志望動機の書き方のコツを紹介する前に、皆さんに行っていただきたいことがあります。
それは、大学業界の現状と大学職員の仕事内容を十分に理解することです。
すでにこれらのことを理解している方や大学職員を目指す意思が固まっている方は読み飛ばしていただいて大丈夫です。
大学業界の現状を理解する
大学業界は大学という公共的な立場やイメージから、「安定」のイメージをされる方が多いと思います。
ですが、度々ニュース等で報道されているように、現在の日本の出生率は年々下がっており、大学業界をはじめとした教育業界は決して雲行きがいいとは言えない状況です。
出生率は下がっている中ですが、大学の数は年々増えており、その影響で大学間の学生獲得競争が年々激しくなっています。

私も大学職員を目指していた際は、大学業界の現状や未来をしっかりと自分なりに噛み砕いて落とし込んだうえで、志望動機を考えたり、採用試験に臨んでいました。
面接試験の際にも頻繁に聞かれる内容でもありますし、なにより自分がこれから長い期間働いていくかもしれない業界の現状は必ず把握しなければいけませんね。
大学職員の仕事内容を理解する
前述したように、大学業界は生き残りをかけた群雄割拠の戦国時代のような状況となっています。
その中で、職員が危機感を持たずにまったりとルーチンワークの事務仕事だけをやっていたら、あっという間にその大学は淘汰されてしまいます。
また、大学職員の仕事は、学生のサポートや、就職相談、教員のサポートなど、大学職員らしい仕事もあれば、広報、人事、経理など民間企業と同じような仕事もあります。
大学にもよりますが、大学職員は同じ部署に長くいるよりも、様々な部署を経験しながらキャリアアップをしていく形が多い傾向になります。
1つの仕事を極めたい方や学生・教育支援だけをしたい方もいるかもしれませんが、自分がまったく興味のない仕事をやる期間も出てくるかもしれません。
志望動機を考えるうえでも、自分自身のキャリア志向を改めて考えるうえでも、大学職員の仕事を深く理解することは非常に重要です。
【例文あり】おすすめの大学職員の志望動機の作り方・構造

前置きに少し熱が入ってしまいましたが、それだけ志望動機は重要なんだと多めに見てくださると嬉しいです笑
ようやく、大学職員の志望動機の作り方を紹介していきますが、まず、志望動機に正解はないと思っています。
今回私が紹介する志望動機の作り方も、実際に大学職員の内定を得ているという実績はあるものの、必ずこのように作れば大学職員への道が開けるという保証もありませんので、この点だけご了承のうえ、お読みいただければ幸いです。
では、おすすめの志望動機の作り方・構造として、私は以下のような流れで志望動機を作っていました。
- 転職理由、転職の軸【現職の状況・転職で何を改善したいのか・仕事への価値観】
- なぜ大学業界なのか
- なぜ大学職員なのか
- なぜ志望大学なのか
志望動機なので、「なぜ大学職員なのか」と「なぜ志望大学なのか」だけ伝えればいいのでは?
と思う方もいるかもしれませんが、それだけでは面接官に刺さる説得力のある志望動機とは言えません。

私は6年間、営業職として自社商品をお客さんに商談で売るという仕事を経験してきました。
その際に、当時の上司に口酸っぱく言われていたのが、「商談の際は、ストーリーが大事。」という言葉です。
例えば、
「この商品は他所の商品より性能がいいので、買ってください。」
とだけ言われて買うお客さんはほぼいないですよね。
「今、業界のトレンドになっていて、御社の客層にもマッチしている。御社の課題でもある新規顧客獲得にもお役に立てると思い、数量限定品でありますが御社に1番初めにご提案にまいりました。」
と言われたら、興味を惹かれますよね。
実際に営業マン時代に、商談前に上手くストーリーが出来ていると感じていた際は、ほぼうまくいった記憶があります。
志望動機もそれと同じで、いかにして面接官に納得してもらえるか・腑に落ちるか・説得力があるかと感じてもらえるかが大切なポイントとなります。
面接の時間の中でも、志望動機は特に自分自身を売り込む時間の1つです。
そのため、ぜひ「ストーリー」・「構造」を意識して志望動機を作ることをおすすめします。
では、それぞれのポイントを紹介していきます。
途中、例文として私が実際に書いていた志望動機を内容を編集して紹介しますが、あくまで参考までにしてください。コピペはNGですし、コピペで内定を獲得できるほど大学職員の選考は甘くありません。
転職理由・転職の軸
転職理由・転職の軸は、志望動機のストーリーの序章にあたる重要な箇所です。
また、志望動機とは別で独立した質問として問われることもある、面接の定番の質問の1つです。
転職理由はこの後の、なぜ大学業界なのか、なぜ大学職員なのかに続く理由付けの部分となります。
現職の状況・転職で何を改善したいのか・仕事への価値観を表現します。
実際に書いた私の例文

私は、営業としてお客様に届けていた商品が社会に役立っているという経験・思いから、もっと社会に強く役立てる仕事がしたいという論理で、公共性・社会貢献性の高い環境に転職したいと結びつけていました。
また、営業から事務(大学職員)というまったく違う仕事を選んだ理由も添えて、説得力を高めるようにしていました。
なぜ大学業界(教育業界)なのか
前述した転職理由・転職の軸を改善する、達成することができる環境が「大学」ということを伝えます。
そのため、転職理由とつながりが求められる箇所となります。
ここでのポイントは、大学業界でなければならない理由を意識することです。
少し頭を悩ませますが、公務員ではなく、高校や専門学校でもなく、「大学」で働きたい理由を考えましょう。
実際に書いた私の例文
私は、仕事をしていた中で大学との接点が全くなかったため、少し抽象的な内容になっていましたが、もし大学との何かしらの接点がある場合は、そこと結びつけると説得力のある内容となると思います。
なぜ大学職員なのか
大学職員の役割や大学職員に惹かれた理由を述べていきますが、この箇所でも転職理由・転職の軸とのつながりがあると、一貫性が出て説得力が高まると考えます。
また、自身が大学職員となった際にどのように貢献できるのかも、書類の回答欄や面接の回答時間の際に余裕があれば、添えることをおすすめします。
実際に書いた私の例文
なぜ志望大学なのか
最後に、なぜ志望大学なのかを話して締めとなります。
これまで紹介した、転職理由・転職の軸~なぜ大学業界なのか~なぜ大学職員なのかまでは、一度完成すれば応募大学によって使いまわすことができるので、複数大学に応募するためにも使いまわしをおすすめします。
ただ、当たり前ですが、なぜ志望大学なのかはそれぞれの大学の志望動機を考えなければなりません。
なぜ志望大学なのかについては、これまでの内容と繋がりがあれば理想ですが、そのような成約が入ると本当に自分が感じた思いが表現しづらくなるかもしれないので、私はあまり繋がりは意識せず直感で感じたことをそのまま表現していました。
実際に書いた私の例文
説得力のある大学職員の志望動機を作るコツ
前段では私がおすすめする志望動機の作り方・構造を紹介しました。
ここからは、もう一歩志望動機に説得力を持たせるためのコツを紹介していきます。
志望動機を作るうえで意識する基本的な事項も含まれていると思いますが、ぜひお読みください。
転職理由から志望動機まで一貫性を持たせる
前段でも多く触れましたが、転職理由(転職の軸)からなぜ大学職員を志望するのかまでは、必ず一貫性を持たせるようにしましょう。
例えば、以下の2つの志望動機例を比較するとどのように感じるでしょうか?
NG例の方は、転職理由と志望理由に繋がりがなく、説得力に欠けている内容になっているのがわかると思います。
OK例は、転職理由から志望動機までの繋がり・一貫性があり、ある程度腑に落ちる内容になっています。
転職理由と志望動機は、それぞれ独立させて全く違う答え方をするのではなく、繋がりを意識して考えることをおすすめします。
自身の経験を必ず織り交ぜる
こちらは基本的な事項かもしれませんが、例えば、あまりにも現在の仕事と大学職員の仕事が違いすぎたり、関連性がなかったりすると、志望動機の内容が抽象的になってしまう可能性があります。
私もそうでしたが、そのような状況の方は、志望動機の内容の中で、なにかひとつでもいいので自身の具体的な経験や思いを織り交ぜることをおすすめします。
内容がすべて抽象的なものになってしまうと、納得性に欠け、他の選考者との差別化も弱くなってしまいます。
自身の強みで大学職員として貢献できることを伝える(特に中途採用の場合)
中途採用の場合基本的には、これまでの職務経験を活かして、即戦力で働いて欲しいという大学側の狙いがあります。
そのため、特に中途採用の試験の場合は、志望動機の中に多少、自身の強みと強みを活かして大学に貢献できることを盛り込むことをおすすめします。
ただ、書類選考の質問の中で、志望動機と自己PRがそれぞれ設問としてあった場合は志望動機の中には盛り込まなくてもよいと思います。
面接の場合も、志望動機と合わせて自己PRを聞かれることは多いので、初めから志望動機の中に盛り込んでおくと安心です。
重要!志望動機が完成した後に必ずやること

これから志望動機を作ろうと思っている方、すでに志望動機が固まっている方、理想の志望動機が完成した方、すべての皆さんに面接試験前に必須で行っていただきたいことがあります。
それは、作った志望動機を自分が面接官の立場になって聞いてみることです。
長い時間をかけて考えた志望動機は、主観ではツッコミどころのない完璧なものに感じるかもしれません。
しかし、私は実際にその気持ちで大学職員の面接試験に初めて臨んだところ、志望動機に対する面接官からの質問や突っ込みに対してうまく答えられず、落とされてしまった苦い経験があります。
せっかく厳しい倍率の書類選考や筆記試験を突破して面接試験まで辿り着いたのに、そのような形で落とされてしまうのは非常にもったいないです。
皆さんにはそのような経験をする確率を可能な限り低くするためにも、完成した志望動機を面接官の立場から再確認することをおすすめします。
再確認した際に、おそらく、以下のようなポイントに気づくと思います。
このような箇所に気づいて、志望動機を修正したり、面接官に突っ込まれそうな箇所への答え方を面接前に考えることによって、面接試験を突破できる可能性は高まると考えます。
自分自身で見直すのももちろんOKですが、より効果があるのは、やはり第三者に見てもらうことです。
私は転職活動をしていた当時、同じく転職活動をしていた友人と転職エージェントの方に、作った志望動機を確認してもらっていました。
出来るだけ多くの方に見てもらうことが、より洗練された志望動機を作るためには大切です。

私がお世話になっていた転職エージェントは、業界最大手の「リクルートエージェント」です。
無料で登録、活用できるので、興味がある方はまず登録してみることをおすすめします。
志望動機なくして大学職員への道はない
志望動機は、新卒・中途関わらず、書類選考や面接試験において頻出する質問であり且つ1番採用選考に際し重要な質問と言っても過言ではありません。
いくら優秀な方でも、志望動機を厳かにしてしまっては、大学職員への道は遠のいてしまいます。
逆に学歴や経歴に自信がない方でも、志望動機が非常に説得力のあるものであった場合、内定を勝ち取れる可能性は高まります。
私も転職活動中に志望動機を考えた時間は、対策の中で1番時間を費やしたかもしれません。
短時間で自分の納得いく志望動機ができればそれに越したことはありませんが、本記事で紹介したポイントも参考にしていただき、皆さんが納得のいく志望動機が作れることを応援しています。