大学職員の仕事内容

大学職員の仕事紹介~学生支援編~

みっちー

首都圏の私立大学で働く現役大学職員(中途4年目) ■元社畜メーカー営業 ■約1年半におよぶ自身の転職体験と大学職員のリアルをお伝え ■大学職員を目指す全ての方を応援します

「学生課」や「学生支援課」と聞くと、学生時代を思い出す方も多いのではないでしょうか。

大学内で落とし物をした時、学割の発行をしたい時、奨学金の手続きを行いたい時、駐輪場の手続きをしたい時、学園祭で出店をしたい時など、学生生活の多くのシーンでお世話になる、学生にとって身近な部署のひとつですね。

「学生課」や「学生支援課」はその名前のとおり、学生の生活を入学から卒業までの様々な場面でサポート・支援することが主な仕事内容となります。

長期休暇の時期以外はほぼ毎日のように学生と直接関わることとなる学生支援の仕事は、まさに大学職員ならではの仕事で、多くの魅力があります。

みっちー

大学職員の目線から、学生支援の仕事の実情と魅力を紹介していきます!

大学職員の学生課の仕事

学生時代を思い出すと、学生生活(授業以外)の中でなにか困ったことがあったらとりあえず学生課に行く、という気持ちで私は過ごしていました。

みっちー

実は、大学職員になった今も、そのような気持ちで仕事をしています笑

もちろん、しっかりと電話の問い合わせ内容や学生からの話を把握・理解してから、学生課へ案内しているので安心してください。

私が所属する部署も一応、こじんまりとした窓口があるため、たまに用件を間違えて来る学生がいますが、

「それは学生課で聞いてね。」

と学生課へ案内することが多く、学生生活にかかわる部分のほとんどの領域を学生課がカバーしているのだなと感じます。

学生課の学生からも見える部分の仕事内容と、大学職員目線での仕事内容とやりがいを具体的に以下に記していきます。

学籍管理

学生の個人情報を管理する「学籍管理」は学生課の大事な仕事のひとつです。

住所や、出身高校、成績、履修している授業、保証人など、在籍している全学生の情報を厳重に管理します。

学生1人1人の入学、卒業、退学手続き、各種情報の変更手続きを学生課が一挙に受け付け・管理するため、卒業と入学の時期が被る3月や、新入生が奨学金や学割の申請等で窓口に殺到する4月が学生課の繁忙期となる傾向があります。

学籍の中には、成績情報や履修情報も含まれるため、教務課や先生方と協力して、学生生活に苦労している学生の支援を行う場面も度々あります。

一昔前は、紙の「学籍簿」で管理していたこともあったようですが、今はデータでの管理が主となっている大学がほとんどです。

みっちー

何万人の書類を紙で管理していたと想像すると恐ろしいですね・・・笑

奨学金に関する業務

学生が必要とする「奨学金」の申請や申請手続きをサポートは、学生課が担当となります。

私も学生時代は、日本学生支援機構の奨学金を借りていましたし、皆さんも借りた経験がある方はいらっしゃると思います。

景気が良いとはいえない時代が続いている現在の日本では、奨学金を利用して大学に通う学生は多いのが現状です。(特に学費が高い私立大学。)

以下の表を見ると、R5年度は日本学生支援機構が提供している奨学金のみで、約120万人の学生が奨学金を借りていることがわかります。

奨学金事業の充実:文部科学省

奨学金にも大学で提供しているものもあれば日本学生支援機構をはじめとした外部機関が提供しているものなど様々種類があり、その中で学生1人1人の状況・ニーズに合わせて、学生課の職員が相談に乗ることとなるため、奨学金に関する知識は必須となります。

他部署の私から見て、自大学が提供している奨学金制度はわりと分かりやすくルール等が設定されているため、多少勉強すれば大丈夫かなと感じますが、学外の奨学金は相当な勉強が必要だなと思います。

学外奨学金で1番メジャーな日本学生支援機構が提供している奨学金や数年前より始まった国の修学支援制度など、また、それに付随する多くのルールや基準が設けられており、そのすべてを網羅するのにはある程度の時間と経験が必要です。

また、奨学金は多くの方が「貸与型」で借りるため、就職後に返済をしていくケースが多くなります。

みっちー

学生課の職員としても、安易に学生の相談に対して回答するのではなく、相手の状況にあわせ寄り添った相談対応を意識することが大切となりますね。

課外活動団体のサポート

「課外活動団体」とは、大学によって若干定義が変わるところはありますが、基本的には「部活動」や「サークル団体」のことを指します。

また、ボランティア活動団体や学園祭実行委員会、大学の活動をサポートする学生スタッフなども課外活動団体と呼ばれることがあります。

課外活動は、授業の時間では学べない知識や経験を身に着けることができるため、各大学は学生に対して積極的に活動することを推奨しています。

学生が課外活動を行うにあたっては、団体設立届の提出、遠方で合宿を行う際には遠征・合宿届の提出、その他大学内の施設を使用する際には施設使用届等の提出が必要になります。

その担当窓口となるのが学生課です。

また、体育会の課外活動に力を入れている大学によっては、その支援対応のみを行う学生課とは別の「課外活動支援課」や「スポーツ支援課」といった独立した専門の部署がある大学もあります。

授業やゼミとは違い、ある程度の自由が利く課外活動の対応の場面では、学生から多少無理な相談を受けることもあります。

学生の要望に寄り添いながらも、状況によっては、大学のルールを破ったり・常識の範囲を超えないように軌道修正する必要がある場面も出てくるかもしれません。

学生と仲が良くなると少し甘やかしてしまいたくもなりますが、そこはしっかりと節度を持って接していくことが大事ですね。

みっちー

と言いつつも私は甘やかしてしまいそうなタイプなので、今のうちから肝に銘じておこうと思います・・・笑

障がい学生支援

大学には、様々な障がいを持った学生が在籍しており、その学生が大学生活を充実させ、将来社会で自立して活躍できるよう学内でサポートするのも、学生課の重要な役割のひとつです。

障がい学生は、視覚障がい・聴覚障がい・肢体不自由・精神疾患等、障がいや病気によって様々です。

また、例えば同じ視覚障がい者でも、視力の見え方・視野の範囲・見えづらい光の加減など、一括りにして対応することは不可のため、1人1人としっかりと向き合い、対応していく必要があります。

多くの大学では、新しい学期が始まる前や始まった直後にまずは学生課の職員や場合によっては、ソーシャルワーカーと呼ばれる専門の知識を持った職員と面談を行います。

その面談をとおして、授業やテスト・実習の際にどんな配慮が必要か明記された書面やデータを学生に交付し、該当学生はその配慮に則り、学生生活を送ることとなります。

その対応を「合理的配慮の提供」と言い、令和3年に改正された障害者差別解消法の中で、事業者による障がいのある人への「合理的配慮の提供」は義務化されました。

事業者の中には大学も含まれるため、大学は障がいを持った学生に対して、「建設的対話」を重ね、1人1人の障がいや状況に寄り添いながら、適切に対応してくことが大切になります。

より詳しく知りたい方は、内閣府のわかりやすくまとめたページと日本学生支援機構が全国の大学の様々な場面での合理的配慮の実施例を公開しているため、以下よりご覧ください。

事業者による障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化ー内閣府

障害学生に関する紛争の防止・解決等事例集ー日本学生支援機構

また、障がい者手帳を持っている学生だけでなく、自身では気づいていないような精神疾患等の障がいを抱えている学生も、近年徐々に増えている傾向があります。

障害のある学生の修学支援に関する実態調査(日本学生支援機構)

繰り返しになりますが、病気や病名で一概にして対応するのではなく、それぞれの学生と対話を中心としたコミュニケーションを重ね、寄り添った対応が重要となる、責任感のある仕事のひとつです。

学生支援において大切なのは学生に寄り添う心を持つこと

日々様々な悩みや個性を持った学生と直接接していくこととなる学生支援の部署において、最も大切なのが「相手に寄り添気持ちと対応」だと思います。

相談される側で聞くと些細な悩みや問題に聞こえても、その学生にとっては非常に重く抱え込んでしまっているかもしれません。

そんな時に、いかに学生の立場になって寄り添いながら、相談対応を行うことができるかどうかが、学生や教員から信頼されるかの分かれ道になると思います。

また、自分の対応が相手から感謝されたり、評判に繋がったりと、目に見える形で返ってくることも多いのが学生支援の仕事の特徴でもあります。

みっちー

大学職員ならではの学生支援の仕事に憧れて志望動機を構成している方も多いと思います。

この記事の仕事内容を参考に、自分の強みと組み合わせながら厚みのある内容に仕上げていってください!

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