大学職員への就職・転職活動時には、ほとんどの大学で書類選考時に、『履歴書』・『エントリーシート』の提出が求められます。
その中で、必ずといっていいほど回答記入欄があるのが、「資格」について問われる欄です。
大学によっては、取得した資格を書くだけでなく、選択や記入形式で、資格・スキルについて詳しく問う大学もあります。
そうなると、どうしても以下のような点が気になってくる方が多いと思います。(私もその1人でした。)
「大学職員の転職活動で持っていると有利になる資格や評価される資格はあるのか。」
このような疑問を解消しつつ、私なりの大学職員への転職に役立つおすすめの資格を紹介していきます!
大学職員になるために必要な資格はある?
まず前提として、大学職員になるために必要な資格はありません。
同じ教育系の仕事だと、小学校・中学校・高校の先生になるためには、それぞれの教員免許が必要ですが、大学職員として働くにあたってはそのような必ず持っていなければならない資格はないです。
ただし、大学によっては、採用募集要項に「TOEIC800点以上」や「システム職経験者」など、特に専門職として採用する場合に、そのような資格や経験を求める場合があります。
そのため、転職サイトや大学ホームページの採用募集要項は必ずチェックするようにしましょう。
1度私は、履歴書を完成させた後に、TOEIC○○点以上の募集要項の文言を発見し、痛い目に会ったことがあります・・・笑
大学職員の採用選考で持っていると有利になる資格はある?
前述したとおり大学職員になるために必要な資格はないですが、持っていると採用選考の際に有利になる資格や入職後の仕事の中で役に立つ資格はあります。
私が大学職員への転職活動中と実際に大学職員として働いていく中で、持っておけばよかった・役に立ったと感じた資格をいくつか紹介します。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOS は、マイクロソフトオフィス製品(Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookなど)の操作スキルを証明する国際的な認定資格です。
MOSを取得することで、マイクロソフトオフィスの各アプリケーションを効率的に使いこなせることを証明できるため、転職の採用選考でのアピールだけでなく、大学職員のメインの業務であるパソコンの事務作業に幅広く活かすことができます。
私は転職活動時には、MOSは取得していませんでしたが、入職後のSD(スタッフ・ディベロップメント)にて取得しました。
MOSは、例えば営業職のような前職が事務職ではない場合に、特に役立ちます。
というのも、面接官はこれまで事務職にあまり携わっていなかった営業職の応募者に対しては、入職後にパソコンでの事務作業が効率よくできるかが非常に気になるためです。
私は、選考中の面接試験の中で、2大学に1大学からは、パソコンスキルについてどのくらい能力があるか問われました。
その際に、客観的にスキルを証明できるMOSがあればよかったなという主観もあり、1番に挙げました。
MOSの取得に向けては、公式教材や書籍での学習やオンラインスクールなどに通っての学習が主です。
私は公式教材と書籍を使って学習しましたが、個人的には公式教材の問題を何度も解いていく勉強方法が効率がよかったなと思います。
また、個人的な取得のおすすめ順番は、Excel→Word→PowerPointの順番です。(仕事でよく使う順ですね。)
英語の資格(TOEIC・英検など)
大学職員の転職で評価される資格・能力として、1番にイメージされる方が多いのが「英語能力」だと思います。
少子化の状況に鑑み、多くの日本の大学は日本の学生だけでは定員数を確保することが難しくなってきているため、外国人留学生を積極的に迎えいれようと力をいれています。
また、コロナ禍により一時は急速に落ち込んだ、学生の留学・留学支援の動きも復活しつつあります。
そのような大学業界の状況の中、やはり英語能力を持った方は重宝されます。
国際教育に力を入れている大学だと、採用時の募集要項に、TOEIC○○点以上や何年以上の英語を使った仕事の経験などが明記されており、職員に対してもそのような力を求めていることがわかります。
今は国際教育や留学生の受け入れ等に力を入れていない大学ても、今後の厳しい状況を見据えてそういったところに力を入れる可能性も十分あるため、一定以上のTOEICのスコアや英検の級を持っている方は必ずアピールすることをおすすめします。
私は履歴書に書けるレベルの英検やTOEICのスコアどちらも持っていなかったため何も記載していませんでしたが、
「英語の勉強はしていますか。」
「英語の能力や英語を使った仕事の経験はありますか。」
と面接で何度か質問を受けたことがあります。
実用的に使える英語力となると短期での取得は相当な努力が必要ですが、TOEICのスコアアップのみでしたら、オンライン講座やアプリ等で今はどこでも気軽に勉強することができ、短期間での高スコアも狙うことが出来ます。
高校生や大学生時代に英語に自信があった方は、いま一度挑戦してみるのも大いにありだと思います。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、聞きなれない方も多いかもしれませんが、国家資格として位置づけられており、職業能力開発促進法に基づいて認定されています。
キャリアコンサルタントの資格を持つ方は、「キャリアカウンセラー」とも呼ばれ、個人のキャリア形成や職業生活に関する相談に応じ、適切な助言や支援を行う専門家です。
大学時代に就職課にお世話になった方は、キャリアカウンセラーさんに相談に乗っていただいたり、面接対策を行っていただいた方も多いと思います。
キャリアコンサルタントは、大学の就職課や就職支援課などの学生支援系の部署の仕事に直結して活かすことのできる、即戦力の資格です。
試験は、学科試験と実技試験の二部構成となっていますが、学科試験の合格率は60%前後、実技試験の合格率は65%前後、同時合格率も50%前後と高くはありませんが、低くもないため、挑戦する価値は大いにあると考えます。
私はもし就職課に配属になった際には、自己研鑽のために必ず取得したいなと思っている資格の1つです。
秘書検定
秘書検定(秘書技能検定)は、ビジネスシーンにおける秘書業務や事務職に必要な知識と技能を評価する資格試験です。
資格名に秘書とついているので、秘書を目指す人が取得する資格と思われがちですが(私もそう思っていました・・笑)、ビジネスマナーやコミュニケーション能力、事務処理能力などが幅広く問われ、事務職に就く方にとっても有益なスキルを学べ、証明することが出来ます。
秘書検定の個人的なおすすめポイントは、前述のスキルの証明ももちろんありますが、取得のしやすさ・コスパの良さがあると思います。
秘書検定は、上から1級・準1級・2級・3級と4つの級がありますが、企業で何年か働いた経験がある方であれば、2級と3級は『公式教材』を何回か勉強するだけで、比較的簡単に取得することができると考えるからです。
私も実際に一般企業で働いていた際に2級を取得しましたが、日々働いている中で得た知識やそこから想像できる知識が必要な問題が多々あり、そこにある程度の『公式教材』での学習をしたところ、1回で合格することが出来ました。
ただ、3級と2級は筆記試験のみで合否判定となりますが、準1級・1級は筆記試験に加えて、ロールプレイングの二次試験も課されるため、取得難易度もグッと上がり、相応の勉強と対策が必要となります。
現在の職種に限らず、取得をおすすめする資格の1つです。
日商簿記検定
簿記検定(日本商工会議所主催)は、企業や個人の経理・会計に関する知識と技能を評価するための試験です。
簿記の資格を取得することで、企業の経理部門でのキャリアアップや、営業部門での取引先の与信管理・経営状況等を数字で把握することができるようになるため、企業において数字にかかわる部署や管理職に昇任するために必要となる資格です。
大学には経理部や財務部はありますが、営業部はないため、入職後に広く活用できるというわけではありませんが、知名度があることや逆に大学職員で取得されている方はそこまで多くないというところを逆手にとってアピールができるのではと思います。
上から、1級・2級・3級と分かれており、特に3級は学生でも勉強すれば取得することができると通説がありますが、私は社会人になって2回試験を受けて2回落ちているので、得手不得手があるのだなと思います・・笑
合格していない身分で恐縮ですが・・・以下に私が独学で勉強していた際に使用した対策本を紹介しておきます。
独学では合格をつかみ取れない際は・・・
多忙な日々を過ごされている中、興味はあり取得したい資格があっても、なかなかその勉強時間が取れないという状況の方が多いと思います。
言い訳になりますが、簿記3級の取得を目指していた際、激務な仕事と大学職員への転職の真っ只中でしたので、なかなか勉強の時間がうまく取れずに、不合格となってしまいました。
また、やはり独学だとモチベーションを保つのが難しく、つい怠けてしまう時間も多かったように今思い出すと強く感じます。
- 資格勉強のモチベーションを挙げたい
- 効率よく資格を取得したい
- 自分の市場価値を高めるために資格を取得したい
と考えている方(特に独学で苦戦している方)には、通信講座サービスがおすすめです。
LEC東京リーガルマインド
「LEC東京リーガルマインド」は、国家資格を始めとしたさまざまな資格取得を目指せる通信講座サービスです。
資格取得のために本屋へ行った際に、「LEC」の文字を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
好評の理由はテキストの分かりやすさと先生の指導力にあり、紙の参考書から映像講義まで幅広い教材が揃っていることも大きな強みです。
充実した指導や細やかなサポートが期待できる分、授業料が多少高めになりますが、しっかり結果に結び付けて将来活躍したい人や苦手分野の資格取得に挑戦したい人に特におすすめです。
また、全国に予備校や提携校があるため、通学しての講義の受講はちろんですが、自宅での通信での受講や模試も自宅から受けることができるため、仕事で忙しい方にも非常におすすめです。
私は実際にまだ利用したことがありませんが、大学の同僚が大学から支給されているSD費を使用して、LECさんを通じて資格取得に成功しています。
学び続ける力が今の大学職員には求められるため、私も今後お世話になる機会が多くなりそうです。
まとめ:資格は自己PRの材料になる
資格に対する選考内での評価は大学によって様々のため、必ず有利になる・役に立つとは一概には言えませんが、資格を持っていて損することは絶対にありません。
また、大学職員に期待される力として、「学び続けることができる力」を近年多くの大学で求める傾向にあります。
これから厳しさを増してくる大学業界で生き残っていくためには、大学とそれを支える職員が成長していかなければいけません。
現在資格を持っている方は面接でアピールする際に、社会人になっても学びを継続していること・今後もそれを続けていくことをぜひキーワードとして盛り込むことをおすすめします。
現在資格を持っていない方は、今後取得に挑戦したい資格や自身のスキルアップのために学んでいきたいことを話すと、評価につながります。
仕事をしながらの資格取得はなかなか大変ですが、その努力は無駄になることは絶対にありませんので、時間の許す限りで無理せずに挑戦を検討してみてください!