大学職員の仕事内容

大学職員に「英語力」は必要?

みっちー

首都圏の私立大学で働く現役大学職員(中途5年目) ■元社畜メーカー営業 ■約1年半におよぶ自身の転職体験と大学職員のリアルをお伝え ■大学職員を目指す全ての方を応援します

コロナ禍を経て、現在日本には世界中から多くの外国人観光客が訪れています。

個人的な体感では、コロナ禍前よりも多くの外国人が街中に溢れている感覚です。

外国人観光客のために、日本では国際化が様々な場所・場面で進められていますが、大学でも同様に国際化が進められています。

国際化に取り組むにあたって必ずと言っていいほど、必要となるのが「英語力」です。

英語力に自信があるがそれを活かせる場所が大学にあるのか、採用選考の際に有利に働くのか、英語力が全くないが大学の仕事に支障はないのかと、「英語力」に関して疑問を抱えている方は多いと思います。

こちらの記事では、大学職員に英語力は必要かどうかに焦点をあてて実情を紹介していきます。

英語力が必要かどうかは大学・部署による

結論からお話しすると、大学職員に英語力が必要かどうかは所属する大学・部署によります。

そのため、仕事の中で頻繁に英語を使う機会があって英語力が必須の環境もありますし、まったく英語力が必要ない環境もあります。

また、大学全体で国際化を推進していたり、外国語系の学部を揃える大学では、すべての職員に一定以上の英語力を求められることもあります。

そのため、英語が出来ても出来なくても大学職員にはなれるということが言えますが、やはり英語力はあって損は絶対しません。

まずは、英語力が必要な大学の例と大学の国際系の部署で行う業務内容を紹介していきます。

英語力を求められる大学例

英語力を求められる大学の例として、以下の2つを挙げました。

  1. 留学が盛んな大学
  2. 国際・外国語系の学部を持つ大学

留学が盛んな大学

留学が盛んな大学では、交換留学という形で日本人学生が海外の大学に行くだけでなく、海外の大学から外国人留学生が大学に来ることとなります。

この後の国際系の部署で行う業務例でも紹介しますが、外国人留学生の受け入れ・日本人学生の留学支援の場では、やはり英語を中心とした外国語のスキルが必須となります。

外国人留学生の受け入れの際は、受け入れて終了ではもちろんなく、学習や生活支援を行う場面も多々あるため、大学によって求められるレベルは様々ですが、ビジネスレベルの読み書きや会話力が求められることも少なくありません。

ちなみに、私の所属大学は、そこそこ留学には力を入れていますが、職員でビジネスレベルの英語力を持っている方は一握りです。

その一握りの方が語学力が必要な場面で周囲の職員をサポートしつつ、仕事を回しているため、本当に一定レベル以上の英語力を持った方は重宝されるなと見ていて感じます。

国際・外国語系の学部を持つ大学

国際・外国語系の学部を持つ大学には、上述したように充実した留学制度が整っていて外国人留学生が多く所属していたり、帰国子女などレベルの高い英語力を持つ日本人学生が多く在籍したり、外国語で行われる授業が多数開講されていて外国人教員が多く在籍していたりと、英語力がなくてはならない要素が詰まっています。

そのため、上記に当てはまる環境の大学では、職員に対しても一定レベル以上の英語力を求められることがあります。

私が大学職員の転職活動中に見かけた求人の中では、国際基督教大学と上智大学が募集要項で一定以上の英語の能力・経験がないと、応募ができない設定をしていました。

国際色豊かな大学の大学職員になりたい方や国際化に力を入れている大学の職員を目指す方は、英語力は必須と考えてよいと思います。

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大学職員の英語力が必要な業務例

大学職員の業務において英語力が必要となる仕事は、具体的にどのようなものがあるのか。

細かく見ていくともっと多様な仕事がありますが、今回は代表的な仕事例として以下の4つを挙げました。

  1. 外国人留学生の受け入れ
  2. 日本人学生の留学支援
  3. 海外の大学との国際交流協定の締結
  4. 外国人留学生の学習・生活サポート

外国人留学生の受け入れ・日本人学生の留学支援

外国人留学生の受け入れには、交換留学生を含む短期留学生が対象の場合と大学に入学・編入学として正規の在籍学生で迎え入れる場合の2つが主にあります。

前者の短期の留学生の対応は国際系の専門部署や教務課が担当、後者の場合は入試課が担当として業務を行うことが多いです。

短期留学の場合は、大学間で締結している国際交流協定や交流プログラムで来るケースが多いため、一定の信頼関係の元で成り立っていますが、入試はそうはいきません。

受験生はそれぞれ全く異なる背景を持ち、受験前から入学までの間、各々の事情に合わせた対応を求められることが多々あるためです。

また、日本の受験生ではあまり考えられないケースですが、経歴を偽証したり、替え玉受験をしたりと、思いもよらぬ落とし穴も潜んでいる可能性があり、慎重に判断しなければならない場面もあります・・・(どちらも私の大学で過去に実際にあった事例です。)

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日本人学生の留学支援

英語力が必要かどうかとは少し違う視点となるかもしれませんが、日本人学生の海外留学支援・促進として、語学力向上講座を企画・運営することも国際系の部署で行う重要な仕事の1つです。

留学には一定の語学力が求められるため、多くの大学が学生の語学力向上を目指す講座を実施しています。

日本では、4年生で本格的な就職活動が始まるため、留学するタイミングとしては主に2年生の後期から3年生が一般的です。

そのため、早期から学生に留学を意識させ、語学力向上を促すことも職員の重要な役割となります。

また、日本人学生の海外留学支援として、語学力と合わせてネックとなる問題の留学費用の負担が大きいことに対しても職員が支援を行います。

多くの大学は留学に対する経済支援制度を設け、選抜された学生への支援金の支給手続きなどを行っています。

また、近年は日本人学生の安全管理も課題となっており、事件や事故に巻き込まれた際に迅速な対応ができる体制の整備や事前の注意喚起も重要な業務です。

日本人学生を海外へ送り出して終了ではなく、留学先に滞在中や帰国後もこまめなフォローをしていくことが大切ですね。

外国人留学生の学習・生活サポート

海外から来た外国人留学生への対応も、海外へ行く日本人学生と同じで迎え入れて終了ではなく、迎え入れた後の日本での滞在中のサポートも大切な仕事となります。

右も左も何もわからない外国人留学生が日本での生活にいち早く適応できるよう、役所での手続き、住まいのサポート、マナー、銀行口座の開設など・・・多岐にわたる支援を職員が行うこともあります。

また、日本語を流暢に話せない外国人留学生向けに日本語講座を実施し、日本文化への理解を深めるためのイベントも企画・実施します。

例えば、お寺や神社などへの訪問や茶道体験や歌舞伎鑑賞など多岐にわたるプログラムを、企画・準備、当日の同行まで入念に行われるため、やりがいがある仕事です。

貴重な留学の機会に日本を選択してくれた外国人留学生が、満足いく形で母国に帰ってもらえるよう、学習・生活サポートを行うことを蔑ろにはできません。

海外の大学との国際交流協定の締結

国際化の推進に積極的な大学では、海外の大学と積極的に国際交流協定を締結し、学術交流や学生の交換留学の枠組みを整えていて、この仕事に職員も関わっていく事となります。

協定を結ぶ際には、協定書を作成し、施設利用範囲や交換留学の定員、交換希望者が一方に偏る場合の対処法などを大学ごとに詳細に決めていきます。

そのため、担当する職員には高いレベルの語学力に加え、高い交渉力も求められる傾向にあります。

大学によっては先生が中心となって協定締結の交渉・調整をしたりすることもありますが、そのような場合でも職員が同行したり、提示資料を作成したりするなど、何らかの形でサポートすることになり、国際系の業務の中でも大切な業務の1つです。

英語力は採用選考において有利になる?

ここまで読んでくださった方はすでに感じていただいていると思いますので、改めて言うのは野暮かもしれませんが、英語力は大学職員の採用選考において有利になります。

学生数が多い大規模大学や偏差値が高い有名大学となると、必然的に国際化という要素からは避けて通ることができませんし、社会や受験生もそこに期待を寄せる方々が多いのも事実です。

また、急速な少子化が進む日本において、外国人留学生の獲得はますます重要な施策となる可能性も大きいです。

そのような状況の中で、英語力を持っている人材は、どこの大学でも重宝されることは間違いないです。

英語力をすでに持っている方は、こちらの記事で具体的にどう活かしていけるかをチェックしていただき、これから英語力を身につけようとしている方は、改めて英語力の大切さを把握していただければ幸いです!

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