大学職員の書類選考の内容・ポイントについて紹介します。
私は大学職員への転職活動中、23の私立大学への応募実績があります。
自慢げに聞こえますが、もちろん誇っていい実績ではありませんね・・笑
ですが、その苦しんだ経験から得た攻略のポイントを共有することで、大学職員になるための最初のハードルである「書類選考」突破のお役に立てば嬉しいです!
大学職員採用試験の書類選考の重要度
まずお伝えしたいのが、大学職員の書類選考は、大学業界独特の選考且つ選考全体の中でも非常に重要な試験であるということです。
私は選考の中で、書類選考の対策にかけた時間が圧倒的に多かったです。(苦慮して取られてしまったところもありますが・・・)
書類選考と聞くと、新卒時代の就職活動を思い出し、使いまわしで若干アレンジした志望理由をweb上で入力し気になる企業に数打ちゃ当たる戦法で応募するというイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか。
大学職員の書類選考はそれとはまったく別物と思ってください。というより、その戦法が通用しません。
大学職員の書類選考への応募書類作成は、非常に時間と手間がかかる工程が必要となるためです。
その理由は、以下のとおりです。
- 大学に関する深い知識が必要
- 設問量が多い
- 応募書類は紙での作成が多い
それぞれ詳しく説明していきます。
大学に関する深い知識が必要
こちらが応募書類作成にあたり、最も時間を取られるポイントではないでしょうか。
例えば、実際に私が応募した大学では、以下のような設問がありました。
いかがでしょうか。志望動機と自己PRのみの大学もありますが、上記のような設問を課している大学も多くあります。
私もそうでしたが、大学職員への転職を目指している方の多くは、大学業界とは全く別の業界・職種の方だと思います。
そんな私たちに大学の履歴書・エントリーシートでは、容赦なく深い知識と理解が必要な設問が飛んできます。
そのため、まずは大学業界や大学職員への理解を深め、そこに自分の経験を結び付けて志望動機を中心とした設問への回答を作成していくことが非常に重要な作業になります。
私はこの作業に苦戦し、納得がいく志望動機が作成するまでに長い時間を費やしました。
設問量が多い
大学に関する深い知識が必要な設問が、大学によっては、2~3個登場することもあります。
1個であればなんとか頑張れますが、それが複数あるのはなかなか心が折れますよね・・
履歴書とは別にA41枚に志望動機をまとめたり、志望理由書が別に課されたりする大学も珍しくありません。
もちろん大学も意地悪でそのようなことをしているわけではなく、設問へのハードルを高くしたり・設問の量を増やすことで、応募者の本気度を測るとともに、応募者が多くなりすぎないようにする狙いがあります。
大学職員は新卒、中途ともに人気のある仕事です。
そのため、例えば、履歴書の設問を志望動機のみの内容にしてしまうと、気軽に応募できることから応募者が殺到してしまうことがあります。
そのような背景もあり、本気で大学職員を目指す人を厳選するためという裏側の事情もあります。(それでも多くの方から応募は来てしまうそうですが・・)
応募書類は紙での作成が多い
大学業界では未だに紙文化が主流の大学が多いです。(私の大学もペーパーレスに取り組んでいますが、まだまだ紙文化は所々に残っています。)
それが採用の場面でも現れることが度々あります。
私の受けた大学では、約8割の大学が紙での応募書類作成でした。
経験されたことがある方も多いと思いますが、紙の書類作成は、誤字脱字が起こった際に基本的にはやり直しがきかないのが辛いところですよね。
また、文字や全体のバランスや見栄え、文字の丁寧さなど、webの入力では発生しない手間が多く発生します。
2時間かけて書いた履歴書を書き上げる直前で漢字を間違えてしまい、また初めからやり直ししたという、軽い絶望を味わったこともあります・・笑
新卒の就職活動や民間企業への転職活動の際は、ほぼすべてweb上で完結していたので、この大学業界独特の紙文化の応募には戸惑い、一定の時間を取られてしまいました。
予め多少の覚悟はしておく必要がありますね。
大学職員の書類選考で準備する書類
以下に、ほとんどの大学で提出が必要となる書類をまとめましたので参考にしてください。
- 履歴書・エントリーシート
- 職務経歴書※1
- 志望理由書※2
- 卒業証明書・成績証明書※3
書類選考通過後の面接対策として、提出した書類は必ずコピーや写真に残しておいてください。
履歴書・エントリーシート
各大学に、100%提出することになる書類です。
氏名~住所、経歴を書く基本的な箇所に加え、ほぼ必ず志望動機を問われます。
志望動機を書くスペースは、A4半分ほど~A41枚いっぱいを使って書く大学もあり、様々です。
そのため、特に志望動機は、簡略verと通常verの2通りを事前に作っておくと、募集が集中する時期に応募書類の作成時間を効果的にとることができるのでおすすめです。
また、大学によっては、履歴書をweb入力OKとしている大学もあります。
手書きのほうが評価されるのでは?と私も一時考えていましたが、web入力で作成したものでも通過したことがあるので、選べる際はweb入力を選択することをおすすめします。
職務経歴書
私の経験上、約8割の大学から提出を求められました。
ただ、こちらは大学職員独自として内容を特別に作る必要はなく、オーソドックスなもので大丈夫です。
もし民間企業への転職経験があったり、考えたことがある方で「職務経歴書」を作成済みの方はそれをベースに準備してOKです。
前述しましたが、大学によってはA41枚で指定されることがありますので、事前にA41枚verとA42枚verの2種類を作成しておくことをおすすめします。
職務経歴書が完成したら、応募する前に利用している転職エージェントの担当者の方に確認をお願いすることをおすすめします。
自分では完璧な出来だと思っていても、プロの目から見たら改善点があるかもしれませんし、データを送信するだけでOKなので手間もかかりません。私も活用させていただいていました。
志望理由書
履歴書やエントリーシート内とは別途で、小論文並みの量での志望理由などを書かなければいけない大学もあります。
これはもう、特に手書き作成の場合は、気力と根性で乗り切るしかないです・・笑
ただ、事前に「志望動機」や「入職後にやりたいこと」・「転職の軸」が固まっていれば、意外とスムーズに書けることもあったので、あまり身構えなくても大丈夫です。
卒業証明書・成績証明書
こちらも大学職員の採用試験独特ですが、書類選考時や選考が進んでいく段階の途中で提出が必須となります。
気持ち多いくらいの各証明書を事前に用意しておくことをおすすめします。
私の母校は、直接もしくは郵送のみでの発行対応でしたが、大学によってはweb上での申請やコンビニから発行できたりするようなので、母校のHPにアクセスしましょう。
成績証明書の成績(取得科目・GPA等)が、採用判断の場面でどこまで使用されているかは上層部のみ知ることですが、私見では参考程度にしか使っていないのではと考えます。
あまりないケースですが、書類・筆記・面接試験の成績がすべてほぼ同じだった応募者同士を比べる際のひとつの材料にするくらいでしょうか。
そのため、大学時代の成績に自信がなくても不安に感じる必要はないと思います。(悪すぎると多少影響は出てくるかもしれませんが・・)
その他
その他に必要なものとして、以下があります。
- 証明写真
- 封筒
- 良好なネット環境
証明写真と封筒(A4サイズが入るサイズ)は、事前に何枚か用意があると、もし締め切りギリギリになった際に安心ですね。
また、大学職員の採用面接は基本的に対面ですが、大学によっては、一次面接でオンライン面接を行う場合もあるため、自宅に良好なネット通信環境があれば困らないと思います。
複数の大学の募集が重なった時は
4月から働き始める春採用、9月や10月から働き始める秋採用を行う大学が多いため、募集の時期が重なり応募したい大学が重複してしまうことがあります。
ですが、大学職員の書類選考時の応募書類作成はこれまでお話ししてきたとおり、1つの大学でも多くの時間がかかってしまいます。
その際は、無理せずにしっかりと自分自身の価値観や物差しで取捨選択をして、志望度が高い大学を優先し(絞って)応募書類作成に取り掛かることをおすすめします。
私も最初は、時間がない中で内容が薄くても多少無理やり完成させたものを提出していましたが、その結果はほぼ通過することはできませんでした。
1つの大学への質を高めて応募することで、書類選考通過後の選考以降もスムーズに進める可能性も高まりますので、ある程度狙いを絞りましょう。
書類選考通過後には複数回の面接があり、その対策も同じ時期にやることを考えると、同時期の最大応募は3大学が限界でしょうか。
ただ、転職対策にかけられる時間も人によって様々なので、もし余裕があるのであれば上限を気にせず、気になる大学には積極的に応募していきましょう!