大学職員への転職ノウハウ

大学職員のための大学の選び方

みっちー

首都圏の私立大学で働く現役大学職員(中途4年目) ■元社畜メーカー営業 ■約1年半におよぶ自身の転職体験と大学職員のリアルをお伝え ■大学職員を目指す全ての方を応援します

大学職員を志すことを決意した方がはじめに悩むのが、「どんな大学の大学職員を目指せばよいのか?」ということだと思います。

私も本気で大学職員になりたいと志した頃、はじめに当たった壁がこのポイントでした。

受験生の頃のようにとにかく偏差値とブランド力が高い大学を受けていけばいいのか、知名度が低い大学は受けなくてもいいのか、女子大学や単科大学はどうなのか等、考えはじめると沼にハマってしまいますね・・

みっちー

今や安定した業界ではない大学業界において、入職した後に後悔のないよう、以下のポイントを参考にして、自分なりの大学選びの軸を見つけてください!

大学のブランド力・知名度

当たり前のことですが、大学は入学してくる学生がいなくなれば収入がなくなり運営が出来なくなってしまい消滅してしまいます。

では、大学進学を目指す高校生を中心とした受験生はどのような大学選びの軸を持っているのか

以下に、大学選びで重視する項目を高校生が回答したアンケート結果を掲載しますが、おおよそは皆さんの予想通りの結果ではないでしょうか。

高校生の約9割が大学選びで重視するのは「学びの内容」、都市圏は「ネームバリュー」・地方圏は「学費・奨学金」を重視 (studyplus.jp)

約6割の高校生が大学の「ネームバリュー(知名度)」を、重視しているのがわかります。

少しいやらしい考えかもしれませんが、個人的にはもっとネームバリューを重視する高校生は多いのではないかと推測します。

その考えの根拠として、私は所属する入試部で毎年の入試結果の集計業務に携わっているのですが、入学辞退をしている合格者はほぼ必ず私の大学よりもネームバリューが高い大学に入学している現状があるからです。

なぜ、高校生はネームバリューを重視するのかは様々な理由があると思いますが、個人的には「就職活動を見据えて」という理由を挙げる人が多いのではないかと考えます。

私も受験生の頃は、通いやすい場所にある大学か1人暮らしをしないと通えない場所にある大学かで迷った際に、大学のネームバリューを重視して、親に無理を言い後者の大学を選びました。

ポイント

各大学の現在位置する知名度やブランド力は大きく変わることがないと言われております。

ひとつの例としてイメージしやすいのが、「MARCH」・「日東駒専」など難易度・偏差値で大学名を頭文字でグループ分けした物が、何十年も変わらずに定着、使われていることでしょうか。

今は知名度が低くてももしかしたらこれから有名な大学になるかもしれない、自分が頑張って広報活動等をして受験生を多く集めたいという思いを持っている方もいるかもしれませんが、実情としてそれは少し厳しいということを覚えていただければと思います。

みっちー

ネームバリューがある大学は受験生と同じで、大学職員の倍率も高くなりますが、そこで努力して入職できれば、ある程度の安定した大学職員ライフを送れると思うので、重視するポイントにすることをおすすめします。

大学の学生収容定員数の規模

収容定員数とは、大学が、その教員組織や校地校舎等の施設などに照らし、受け入れることができる学生の数のことです。

学生数が100名以下の大学もあれば、約7万人が在籍するマンモス大学があるなど、日本では様々な規模の大学が存在します。

潤沢な安定した収入の確保

入学、在籍する学生が多いほど、教職員の人件費や設備費など多くの支出がかかってきますが、それを十分に補えるほどの学費等の安定した収入が入ってきます。

その収入を上手く使い、質の高い教育を学生に届けたり、高度な研究を行い社会に貢献したり、部活の強化費に充てて有名な選手を輩出したり等の取り組みを行ってきた大学が、現在のブランド力の高い有名大学の位置を確立してると考えます。

大学職員の視点からも、使える経費の規模が大きければ、新たな取り組みへの投資がしやすかったり、安定した財務状況を維持しやすかったりと、良いこと尽くめです。

また、傾向の話ではありますが、学生数が多い大学の教職員の給与面の待遇は高くなるといったこともあるようです。

(学生数が5000人ほどの規模の大学職員でも非常に恵まれた待遇の大学も多いので安心?してください。)

総合大学の強み

もうひとつ、学生数が多いことのメリットとして、学生数が多い大学ほど複数の学部学科を持つ「総合大学」になることです。

ポイント

総合大学の強みは、世の中や受験生のトレンドに大きく左右されることなく安定した「学生募集」ができることあります。

経済状況や世間のトレンド、伸びている業界等の影響は受験生の学部学科選びにも顕著に現れます。

例えば、経済が不調の状況であれば「医学・薬学・看護系」の手に職の資格が取得できる学部を目指す受験生が増え、今は徐々に人気が復活していますがコロナ禍の際は「語学・国際系」を目指す受験生が急激に減ってしまいました。

そのような際に、複数学部を持っている「総合大学」は一時のトレンドを他学部でカバーして耐えしのぐことができますが、ひとつの専門分野しか持たない「単科大学」は苦しむこともあります。

みっちー

なかなかないケースだとは思いますが、もし同時期に同じくらいの知名度と偏差値、勤務条件を持つ大学から内定をもらった際は、「学生数」をひとつの選ぶ基準にしてみてください。

安定した財務状況

こちらは大学職員に限らず、企業の就職・転職活動時にも必ずチェックするポイントだと思いますが、やはり大学職員(特に私立大学)でも重要な事項となります。

文部科学省令に従い、国または地方公共団体から経常費補助金の交付を受けている大学(学校法人)は、財務情報を毎年公開しなければなりません。

企業でいうと、上場企業が財務情報の公開を義務付けられているようなものですね。

大学等の学校を設置している学校法人のほとんどが、それに該当するため、私たちは主にホームページで公開している各大学の財務情報を取得することができます。

ただ、注意点として、学校法人は企業と違い利益を出すことが目的ではない組織のため、財務書類の見方にも違いが出てきます。

「学校法人会計 企業会計 違い」などと検索すると、大学によっては、丁寧に説明している大学もあるため、ぜひ見てください。

以下に、個人的にわかりやすく参考になると思った、大学のURLを掲載します。

少子化による学生募集の苦戦のあおりを受け、全国の私立大学の約4割が赤字経営といったデータが出ています。

ただ一方で、医学病院を持ち病院経営による大きな収入がある学校法人や多くの寄付金の取得に成功している学校法人等、利益を確保している学校法人も多く存在します。

ポイント

利益を確保しており、安定した経営を行っている学校法人が必ずしも大学職員として働きやすいかは直結しませんが現状で赤字経営(=学生募集に苦しんでいる)学校法人は今後さらに厳しい状況が予測されるため、注意してください。

付属校の有無

所属する入試系の部署を経験して感じた、こちらのポイントを挙げました。

私立大学の中には付属の中学や高校を併設している大学があります。

付属校は、中学・高校受験で入学すればその後推薦試験により、大学へ内部進学できるという点にメリットがあり、そこに魅力を感じて受験する人が多いのが特徴です。

特にここ近年は、首都圏の大学の定員厳格化や新しい問題傾向の出題が多い大学入学共通テストの受験を避けたい、受験生・保護者の心理的要素から、私立大学の付属校の人気が上昇しています。

大学側としても、付属中学・高校の厳しい倍率を通過した生徒の内部進学は、厳しい少子化の時代において重宝しています。

そのため、各私立大学は高校を新たに付属校化、系属校化したりといった動きに積極的になっています。

例:2015年に東洋大学が京北中学校・高等学校を付属校化。2019年に青山学院大学が浦和ルーテル学院小学校・中学校・高等学校を系属校化。

もちろん、付属校を持っていなくても安定した入学者の確保が出来ている私立大学は数多くありますので、そこまで重要視するポイントではないかもしれません。

しかし、厳しくなっていく大学業界の中で、付属校があることは強い武器になることは間違いないです。

大学のキャンパスの数

これは完全に私個人の志向なので、参考までに見てください笑

これまで挙げてきた選ぶポイントと少し相反する場合もあるのですが、大規模大学や付属校がある大学だと複数のキャンパスに分かれていたり、付属校への異動もあったりで、転居を伴う転勤の可能性も出てきます。

私は転勤がない環境を強く求めて、大学職員へ転職を志したため、いくらブランド力が高くて、学生数が多い大学でも、転居を伴う転勤がある大学は応募の段階から外していました。

私が転職活動中に見た求人の中で、転居を伴う転勤があった大学は以下の大学でした。

現在とは内容に相違がある可能性もあるため、参考までにお願いします。

  • 早稲田大学
  • 帝京大学
  • 東海大学
  • 東京理科大学
  • 近畿大学
みっちー

受験生の頃の大学選びとと就職・転職での大学職員としての大学の選び方は違いがあるのことを理解していただけたと思います。

皆さんのライフスタイル・価値観に鑑み、どこの大学へ応募するか慎重に判断してください!

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みっちー

首都圏の私立大学で働く現役大学職員(中途4年目) ■元社畜メーカー営業 ■約1年半におよぶ自身の転職体験と大学職員のリアルをお伝え ■大学職員を目指す全ての方を応援します

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