大学職員になるためには、民間企業と同様ですが、主に「新卒採用」と「中途採用」の2つの採用方法があります。
20~30年前は新卒採用で職員を採用して、中途採用は行っていなかったという大学が多い状況でした。
しかし、厳しい大学業界を生き残るべく、よりよい大学運営を実現するために、異業界・異業種で活躍してきた方を採用する中途採用を行う大学が徐々に増えてきて、今では多くの大学で中途採用を行っています。
では、その異業界・異業種とはどのような業界・職種なのか。
私の所属大学と、繋がりのある他大学の職員さんから得た情報をもとに、大学職員に転職している人の出身業界・職種を紹介していきます。
私立大学での事例となりますのでご承知おきください。
銀行・金融業界
多くの大学で必ずといっていいほど、銀行・金融関係出身の中途大学職員がいます。
特に多いのが銀行出身の方です。
私の友人にも銀行に勤めていた人がいましたが、銀行員は「給料の高さ」や「福利厚生の充実」・「世間体がいい」というイメージとは若干乖離がある場面があり、そのギャップの辛さに耐えきれず転職する人が多いようです。
良いところも勿論あるが、厳しいノルマや転勤の多さ、休みの日も資格の勉強をしないといけない等、辛い側面もあるため、私の友人も転職していました。
その銀行からの転職希望者に対して大学は、
- 「固い仕事をこなしてきた」
- 「真面目な人が多い」
- 「お金に強い」
等の経歴や能力を評価するため、そのニーズ同士がうまくマッチした結果、中途入職者が多いのだろうと推測します。
銀行のほか、保険会社や証券会社出身の方も一定数います。
教育業界
次に多いのが、教育業界出身の方です。
これは民間企業の転職と同じ傾向なので、わかりやすいと思います。同じ業界の中での転職ですね。
応募者側は教育業界や大学について精通しているし、大学側も同じ業界の中での別目線の知識や経験を持った方は戦力になるイメージがわきやすいので採用しやすいですよね。
大手塾や高校・大学のコンサルティングを行う教育系の会社から大学職員へ転職をしている方はよく見かけます。
同じ業界の話で余談ですが、大学職員から他大学の大学職員への転職のケースはありますが、意外とそこまで多くはないです。
個人的な推測となりますが、今の職場のままでも転職するほどの不満がないことや狭い業界なのでなんとなく避けている人が多いのかもしれませんね。
公務員
公務員も銀行員と同じ理論で、出身者が多くなるのかと考えます。
私は新卒時代、大学職員とあわせて公務員試験も受けていて、公務員に憧れを抱いていたので、はじめはなぜ大学職員に転職するのだろうと思っていました。
ただ、公務員出身の職員の公務員の仕事の大変さや辛い経験の話を聞くと、これは大学職員に転職するのも納得だと考えが変わりました・・
(もちろん、公務員も働く場所によって全く違う環境になるので一概には言えませんが。)
公務員出身の人は、前職と職場の雰囲気や仕事内容がそこまで変わらないからか、入職してすぐにすんなりと適応して働いている人が多いのも特徴ですね。
営業職
私の出身でもある営業職は、業界問わず意外と多いです。
例えば、食品や菓子、日用品、印刷機器メーカー出身の方もいれば、人材会社・旅行会社出身など、私が知る限りでも様々です。
営業と大学職員の仕事の内容は全く違いますが、以下の記事でも説明しているように、大学職員の仕事でも営業で培った経験や能力は活かせることがあるので、そこをうまくアピールできた人が採用されているのだろうと考えます。
その他の業界・職種
これまで紹介してきた業界・職種に比べると、母数は少なくなりますが、以下の職場が前職だった中途入職者もいます。
- 物流会社
- キャビンアテンダント
- ソフトウェア会社(SE)
- 塾講師
- 広告会社
- コンサルティング会社
私が知らないだけで、この記事で紹介できなかった業界・職種からも大学職員への転職を叶えている方は多いと推測します。
今勤めている環境が採用選考に全く関係ないとは言えませんが、大学職員になるためにそれ以上に重要なことは、大学業界・大学職員への理解です。
大学職員への転職のチャンスは想像以上に多くの人に門戸が広く開かれています。
現在の環境は気にしすぎず、選考への挑戦、対策を進めていくことをおすすめします!