大学職員の面接の中では、大学によっては「逆質問」の時間が取られることがあります。
逆質問は大抵面接の最後に聞かれます。
そのため、これまでの面接の出来が完璧だったとしても、逆質問の内容によってはこれまで積み上げてきた評価が一瞬にして崩れてしまう可能性も十分にあります。
裏を返すとこれまであまり感触がよくなくても、面接官に刺さる逆質問を行うことで最後に挽回できるかもしれません。
実際に私が大学職員の面接試験の中で、面接官の評価に繋がったと手ごたえを感じた逆質問例も交えながらポイントを紹介していきます!
大学職員の面接での逆質問の目的・理由
面接試験の定番である逆質問は、大学職員の面接の中でも行われます。
大学によって、逆質問を行う目的や理由は様々だと思いますが、参考までに私が所属する大学を例にお伝えします。
コミュニケーション能力(個性)を確認したい
逆質問は、面接の中で応募者が面接官に質問をできる唯一の時間です。
応募者がどのような発信力があるのか、面接官とのやり取りをどのように行えるか、質問への受け答えだけでは見えないコミュニケーション能力を図る目的があります。
また、そのようなやり取りや態度・表情等から、応募者の個性も確認したいという狙いもあります。
なお、私が所属する大学では一次面接と二次面接では「なにか質問はありますか?」と問い、最終面接では「なにか最後に言っておきたいことはありますか?」と面接の段階で質問を変えています。(理由は後述します。)
熱意を確認したい
逆質問の内容やコミュニケーションから、応募者が本当にうちの大学に入ってくれるか、志望度は高いのかを確認します。
また、大学によっては、「なにか質問はありますか?」ではなく、
「なにか最後に言っておきたいことはありますか?」
「なにか言い残したことはありますか?」
と問われることもあります。
逆質問ではないこちらのパターンは、特に最終面接で問われることが多く、私の大学でも最終面接で応募者の熱意・本気度を最終確認するために質問しています。
逆質問の準備だけでなく、このような質問への準備も必要になることがポイントですね。
大学の理解度を確認したい
少し熱意の部分と重なるかもしれませんが、逆質問の内容と質を聞いて、どこまで応募者が大学のことを理解しているかを確認したい意図があります。
大学の理解度が深い逆質問は面接官の評価につながりますが、誤った理解や知識での逆質問は途端に逆効果になってしまうため、注意が必要です。
大学職員の面接でNGな逆質問
「質問は特にありません。」
と言うと評価が下がりそうだから、なんでもいいから思いついたことを適当に質問するか・・・。
という考えは非常に危険です。
大学職員面接の逆質問では、質問の内容によっては質問をしないことよりも自身の評価を下げてしまうこともあり得ます。
基本的な事項も含まれますが、評価がよくなる逆質問の前に、NGな逆質問を把握しておきましょう。
調べれば簡単に分かる質問
大学のホームページを確認すれば、簡単に答えが分かることを質問するのは、面接官から準備不足・理解不足という悪い評価を受けてしまいます。
面接官にそぐわない質問
自分が面接官の立場であることを想像して、「こんなこと今の私の身分や職歴で聞かれてもな・・・。」と少しでも思うであろう質問は、NGとは言えませんが、避けたほうが無難です。
面接の冒頭に必ず面接官の方々より自己紹介があるので、その方の役職や年齢からその面接官の方に適した質問を行うよう意識しましょう。
待遇面に関する質問
大学の休みの長さや働きやすさに関しては自覚がある面接官もいるため、応募側としては大学職員の待遇は気になるところですが、そこ目当てなのかな?と思われないように質問は控えましょう。
また、待遇面は、募集要項にしっかりと記載されている大学がほとんどですので、理解不足の評価ともとられるかもしれません。
大学の弱点を追求する質問
自信の弱いところや気にしているところを追求されて、いい気持ちになる方は少数派だと思います。
聞き方や場面によって聞いてもOKなタイミングもありますが、追及したり責めたりするような言い方で聞いてしまうと、これまで好印象だったイメージが、一気に悪い印象になりかねないので気を付けましょう。
大学職員の一次面接で評価される逆質問
一次面接に登場する面接官と評価されるポイント
一次面接では、応募者が最低限の社会人としてのコミュニケーション能力やマナーを備えているか、人柄・印象は問題ないかの判断に重きをおきます。
また、若手職員や募集部署の職員が参加することも多く、それらの面接官は、応募者と一緒に働きたいか・働けるイメージがわくかを見ています。
現場の第一線で働いている面接官が多いため、そこに寄り添った逆質問が効果的です。
面接官の経験・経歴を問う質問
質問例
■大学職員として働いていて、最もやりがいを感じた経験と辛かった経験を教えてください。
定番の逆質問ではありますが、その分面接官側も気持ちよく答えることができるので、印象が悪くなることはないです。
最後に変な気持ち悪さを残して終わってももったいないので、面接官が答えづらい難しい内容の質問をするよりは、定番で答えやすい質問を意識することはポイントですね。
職場にいち早く馴染もうとする姿勢をアピールする質問
質問例
■貴学で活躍されている職員の方に共通するスキルや意識はありますか?
私はよく一次面接や若手職員の方が面接官の際に、似たような逆質問をしていました。
この質問への面接官の回答によって、その大学の風土がなんとなく見えてきますし、それが自分に合うかどうかも図ることができると考えます。
大学職員の二次面接で評価される逆質問
二次面接に登場する面接官と評価されるポイント
二次面接は、部長・課長の役職者や中堅職員が登場し、一次面接に比べて質問の難易度がグッと上がり、応募者の核心に迫る質問や大学業界や志望大学に関する理解が必要な質問が出てきます。
そのため、逆質問も、志望大学の特徴や施策等を深く理解したうえで準備を進めていかなければなりません。
志望大学への深い理解をアピールする質問
質問例
■貴学の○○の取り組みや他大学に先駆けて実施している△△の教育は非常に魅力的だと感じました。このような取り組みを行うまでに至った背景や経緯を差し支えなければお教えください。
時には、面接官からの質問への回答だけでは、志望大学についての深い理解やインプットしてきたことを披露する機会がない場面もあります。
そのような際は特に、上記のような逆質問を行い、志望大学への強い本気度をアピールするのがおすすめです。
回答を最終面接にも活かせる質問
質問例
■貴学について調べていく中で多くの魅力や強みを見つけることができました。ただ、貴学の弱みや課題がうまく把握することができなかったのですが、○○様のお考えを教えていただけますでしょうか。
こちらは私がよく使っていた逆質問です。
この逆質問の意図は正直な気持ちで、各大学について調べていく中で、弱みや課題を見つけることが私自身非常に苦労したため、もし最終面接で質問されたらうまく答えられないなという考えから、素直に聞いていました。
実際にそれがうまく活かすことができた場面も多々あったと記憶しています。
ただ、正直に弱みは何ですか?と聞いてしまうと理解不足の印象がついてしまうかもしれないため、自分なりの具体的な魅力や強み、自分なりに考えた弱みを添えたうえで、質問することをおすすめします。
大学職員の最終面接で評価される逆質問
最終面接に登場する面接官と評価されるポイント
最終面接では、理事、事務局長等の役員レベルの方が面接官として登場し、応募者の志望度の高さや熱意、大学の組織や風土に馴染んで活躍していけそうな人材かを判断します。
逆質問も、経営に関わっている面接官が多いということから、大学全体に視点をあてて準備をすることをおすすめします。
大学全体・大学業界全体に関する質問
質問例
■ますます厳しさを増してくる大学業界において、貴学でも様々な取り組みを実行されていると存じます。その中でも特に重要な取り組みや大学全体としてもっと強化していかなければことはございますか?
最終面接の面接官は、大学全体の経営を日々意識して過ごされています。
また、大学経営の背景には切っても切れない厳しい少子化の時代がついてきます。
大学全体の施策と大学業界全体の状況を組み合わせた構成で投げかけることで、
「この応募者はうちの大学のことも大学業界のことも分かっているな・・。」
と面接官の印象が良くなる逆質問だと考え、私も度々使っておりました。
施策への共感、最後の熱意を見せる質問
質問例
■貴学が取り組んでいる中期計画やマスタープランを拝見しました。もし私が貴学に入職したら、どのような形であれ、それらに積極的に携わっていきたいと考えます。そのためには、どのようなスキルや意識が必要になるでしょうか。
最終面接でも、面接官の役職や立場を違えども、最後の採用可否の判断になるものは、志望大学への本気度・熱意です。
中期計画やマスタープランといった経営戦略は、最終面接に登場する経営層の方が深く携わっていることが多いです。
自分が携わっていることや努力していることに共感してくれたり、賛同してくれる人に対して悪い印象を持つ人はいないでしょう。
そこで上記のような逆質問を行うことで、最後のアピールをし、面接を締めくくりましょう。
逆質問は最後の自己PRとなる貴重な時間
大学職員の面接内の逆質問のポイントを紹介しましたが、そもそもその時間を取らない大学もあります。
だからといって他に受けている大学も逆質問の時間を取らない保証はありませんし、もしかしたら逆質問の内容が選考に大きく影響することもあるかもしれません。
どの大学のどの面接の段階でも逆質問は必ず準備して臨みましょう。
そして、逆質問の時間を貰えた際は、最後のアピールの場だと前向きにとらえて、紹介した質問例やポイントを踏まえて面接官に刺さる逆質問を行い、チャンスをつかみ取ってください!