大学職員への転職を志して活動中の方、これから大学職員への転職を始めようとしている方は以下の点が気になっているところではないでしょうか?
- 大学職員への転職は難しいのか?
- 大学職員への転職は倍率が高くて、狭き門?
- 大学職員への道は険しいのだろうか?
結論からいうと、応募する大学や対策の進め方にもよりますが、上記の点は当てはまります。
なぜ大学職員の転職はこのような状況になる傾向があるのか、私が実際に転職活動中に保存しておいた複数の私立大学の「募集要項」から紐解いていきます。
大学職員への転職が狭き門の理由
それはズバリ、倍率が高く、競争が激しいためです。
インターネットの急速な普及によって、これまで隠れてきた大学職員の待遇や環境の良さが広く世に知られたことにより、今や有名大学やブランド力が高い大学の職員は大手企業並みの人気を誇ります。
その状況に火に油を注ぐことになるのが、採用人数の少なさです。
新卒採用は毎年定期で行う大学が多いですが、中途採用においては欠員が出た場合のみ採用を行うことが一般的であり、毎年定期的に採用を行う大学は少ないため、そこに応募者数が集中し、結果として倍率が高くなります。
しかし、大学職員はそのホワイトな環境から、離職する方はそう多くはありません。
待遇がいい有名大学やブランド大学ほど、その傾向は顕著に現れます。
その面に逆視点で触れると、年間通して何回も中途採用の募集を行っている大学は多少待遇面に不安を覚えてしまいますね。
(それでもブラック民間企業と比較するとホワイトかもしれませんが・・・)
少し話が逸れてしまいましたが、私が保管しておいた18の私立大学の採用人数と応募条件をまとめたデータを紹介していきます。
私立大学職員中途採用の採用人数まとめ
募集要項を保存しておいた私立大学が18大学ありましたので、すべて中途採用の募集要項から採用人数を抜き出しました。
なお、第二新卒採用(大学卒業3年以内など)は私は基本的に当てはまらなく応募していないため、以下の数字内には含まれておりません。
多発する「若干名」の採用人数
採用人数まとめ
- 若干名:13大学
- 複数名:2大学
- 2名:2大学
- 5名以内:1大学
- 4~6名:1大学
18大学のうち、13大学が若干名の採用人数でした。圧倒的ですね・・・
若干名の定義は大学や個人によっても差があると思いますが、個人的には「2~3名」と理解しています。
そのため、複数名や2名も若干名に含まれるとなると、約8割の大学が若干名の採用となっています。
繰り返しになりますが、この狭い枠に200~300人の応募があるため、非常に高い倍率になることは容易に想像できますね。
狙い目の大学は?
企業と同じで、組織の規模=学生数や職員数が多い大学は、採用人数の枠も多くなる傾向にあります。
私の記憶ベースで恐縮ですが、早稲田大学は1回あたりの採用人数の枠が10名ほどだったと記憶しています。
大学だけでなく、付属中高や全国に複数キャンパスがあり、そこへの配属もあり得る場合は、自然と採用人数も多くなるのだろうと想像します。
注意すべき大学は?
狙い目と逆に応募する際に注意すべき大学もあります。
- 年中募集をかけている大学
- 大量募集している大学
大学職員に限らず、転職活動を経験されたことがある方は、理解しやすいかと思います。
年中募集をかけている大学は、人を採用しても離職する人が後を絶たないため、人員補充が間に合っていない可能性があります。
私はそのような大学への応募は避けていましたが、大学業界に入った後に、同業界の方から様々な話を聞いて、その理由は真実だったと気づきました・・・
また、大規模な人数の職員が在籍している大学は別ですが、例えば、在籍している全体の職員数が100人の大学が10人の枠で募集をしている大学は避けたほうが無難です。
何か特別な内情があるかもしれませんが、少子化の世の中であり、収益が毎年大きく変わることのない学校法人において、職員の増員をして人件費を増加させることは考えにくいです。
大学のリアルな内情を知るためには、口コミサイトをチェックすることがおすすめです。
「転職会議」は、企業の社員や元社員が投稿した企業の評価やレビューを閲覧できる、就職・転職活動に非常に役立つ口コミ情報サイトで、国内最大級約445万件の転職口コミ情報を掲載、会員数は約980万人を誇っています。
無料登録で、有益な情報を得られるため、私も転職活動中に重宝していました。
私立大学職員中途採用の応募条件(年齢制限)まとめ
同じく、18の私立大学の募集要項から、応募条件(年齢制限)をまとめましたので、紹介していきます。
こちらも、第二新卒採用(大学卒業3年以内など)は含まれておりません。
各世代に門戸が開いている
応募条件(年齢制限)まとめ
- 年齢制限なし:6大学
- 40歳以下:5大学
- 35歳未満:4大学
- 29歳以下:3大学
集計してみて少し意外な結果でした。
半分くらいが35歳未満と予想していましたが、そうではなく、40歳以下や年齢制限なしとしている大学も複数ありました。
なお、年齢制限なしには、各大学それぞれの意味(本当に年齢制限を設けていない、実質はあるけど多くの募集を集めたいからなしとしている等)は違ってくると思います。
ちなみに私もこの年齢制限の集計結果を見て、まだ多くの大学に転職のチャンスがあると分かって、ほんの少しだけ揺らぎました・・笑
やはり年齢は若いほど雇う側は採用しやすいですが、大学職員への転職はいかに大学業界や大学職員の仕事を理解しているかのほうが評価している大学が多いので、個人的には募集の制限内でしたら、そこまで年齢は気にしなくてもよいのかと考えます。
私立大学職員への転職を成功させる対策3選
やはり、大学職員への転職は狭き門だということが、お分かりいただけたと思います。
そんな厳しい大学職員への転職ですが、大学職員への転職を成功させた私が実践していた、おすすめの対策を3つ紹介します。
大学業界・大学職員への理解を深めること
大学業界および大学職員についての理解と知識を深めたうえで、自分の強みや能力をアピールすることで、選考を突破していく可能性が高まります。
理解を深める方法は、webサイトから見られる大学ホームページや大学時報、リクルート進学総研、各書籍や雑誌など様々です。
インプットして終わりではなく、インプットした知識・情報と自身の強みや経験をいかにマッチさせるかがポイントです。
この点に私は非常に苦戦し、時間を取られることになりましたが、振り返ると時間をかけて準備して間違いではなかったと感じています。
情報収集を怠らないこと
大学は基本的に欠員が出た際に求人を出すため、毎年の定期の新卒採用と違い、いつ応募したい大学が求人を出すか予測できません。
そのためには、複数の転職サイトに登録して、最新情報を常に入手することが非常に重要です。
私は転職活動中、複数の転職サイトの求人が更新される曜日は毎週必ずチェックしていました。
大学職員の応募には、複数の書類作成を行うことが慣習になっているため、求人を見つけるのが遅れてしまうと、その分の時間が割けなくなってしまいます。
私が使用していた中で、おすすめの転職サイトの1つが、「リクナビNEXT」です。
「リクナビNEXT」は、会員数・求人数ともにトップクラスの求人情報サイトで、転職者の約8割が利用しています。
もちろん、大学職員の求人も多く扱っているため、転職を決意したらまずは転職サイトの登録からスタートしましょう。
複数の大学へ応募すること
これまで紹介してきたように、大学職員の倍率は高くなる傾向にあります。
そのため、ある程度の人気大学に絞って応募をしていると、必ずといっていいほど落とされる経験出てくるかと思います。
本命の大学をある程度決めるのはいいことだと思いますが、1つの大学に狙いを定めるのはやめて、他の大学の採用試験も受けることは必須です。
また、志望度が多少低くても、応募して面接に進むことで、書類選考を突破できた自信に繋がりますし、面接の雰囲気や大学が求めているポイントを理解しやすくなるため、時間の許す限り応募することをおすすめします。
数字に圧倒されず粘り強く挑戦していくことが大切
大学職員への転職は確かに倍率が高く、競争が激しいですが、事前の準備と適切な情報収集を行うことで、内定を勝ち取ることは十分に可能です。
大学職員への転職活動においては、複数の大学を視野に入れ、日々継続的な情報収集と知識の蓄積を行うことが成功への鍵となります。
見た目の数字に気負いせず、まずは挑戦してみることが大切です!